こんにちは sannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。
今回は前回の『砥鹿神社本宮』に続き、神代より大神様が鎮まる霊山標高789mの『本宮山』、各所には古代祭祀遺跡が点在することから砥鹿神社の創祀と考えられる『砥鹿神社奥宮』について深堀りしていきたいと思います。
三河国内の筆頭神社一之宮として知られるパワースポットで、縁結びの神様としても有名です。東三河の平野にそびえたつ本宮山山頂の奥宮へ、今も昔も砥鹿の大神の御神徳を慕って登拝する人々が年中絶えることなく、片道2時間以上をかけてのハイキング登山も人気で、週末には100人以上が訪れると聞きます。
本宮山山中には磐座、山麓には古墳群の分布も知られることから、古代から山自体を御神体として信仰する山岳信仰の対象であったと考えられているので、古の磐座信仰にあこがれを持つ人々には絶好のハイキング登山になることでしょう。
ただ、私のように足に自信のない方なら、本宮から無料の本宮山スカイラインを利用して車で30分というパターンがおすすめです。けっこうカーブはあるけど道幅があるので多分大丈夫!きっと大丈夫!です。しかも、運が良ければ野生の鹿を見ることができます。
本宮山スカイライン駐車場から歩いて15分、山中に横たわる巨岩や杉の巨木がそびえる道中は自然に触れあえて幸せな気分に浸れます。
登山道の途中には、里宮同様『荒羽々気(アラハバキ)神社』もあるそうで、古代信仰の雰囲気も味わえる、ある意味私にとって理想的なハイキングコース。ぜひ!動けるうちに本宮山の麓から登ってみたいものです。
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砥鹿神社奥宮
鎮座地:愛知県豊川市上長山町本宮下4
《アクセス》
電車・バス:JR飯田線[長山駅]より徒歩約2時間、本宮山登山道を利用します
車:東名高速道路[豊川IC]より約50分
駐車場:無料の本宮山スカイラインの山頂駐車場があります。60台駐車可能な広さでトイレもあります。(9:00~15:30)
御朱印:多くの種類から選べます。こちらはかわいい天狗入りタイプです。
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砥鹿神社とは?
1300年の歴史がある式内社で三河国一之宮で、もと国弊小社、現在は別表神社、近くのくらがり渓谷には「正一位」の碑がある格式の高い神社だそうです。
詳しくは『砥鹿神社本宮』の記事をご覧ください≫
創建
大宝年間(701〜704)文武天皇の時、天皇の病を鎮めるため、草鹿砥公宣(くさかどのきんのぶ)が勅使として派遣され、本茂山(本宮山)の神を迎えて里宮が創建されたそうです。
本来、奥宮がある本宮山は山中に岩座、山麓に古墳群もあり山全体を御神体とする山岳信仰の対象でした。草鹿砥氏は旧社家「穂別」の後裔とされ穂国造により奉斎されました。『古事記』では穂別君(ほのわけのきみ)、『先代旧事本紀』では三川穂国造とされます。
※東三河地方は律令制以前、「穂国(ほのくに)」と呼ばれ、本宮山が「穂」の由来であり、本坂峠は穂の境の峠の意味で穂国ヘ入る峠であるとされます。
歴史
「但馬続風土記」によれば、神代大己貴命は国土を開拓し、諸国を巡幸されて 但馬国朝来郡赤淵宮にお移りになって、更に東方三河国に向かわれたとあり、社伝にはその後命は「本茂山(ほのしげやま)」(本宮山)に留まって、この山を永く神霊を止め置く所「止所(とが)の地」とされたとあります。
主祭神
大己貴命(大国主命)とあります。
では、さっそく駐車場から15分ほどですが、『砥鹿神社奥宮』まで自然を満喫しながら歩いていきましょう。(それほど険しい道ではありませんが、運動しやすい服装が良いでしょう)
参拝していきましょう
本宮山スカイライン頂上駐車場に車を停めると、そこには大きな鹿と童子であろう人物の”みちのり”(愛知県道路公社設立20周年記念)の像があります。
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童子と鹿に見えますがいったい誰?と思って、像の下の説明文を読みます。
飛鳥時代の大宝年中(701~704)文武天皇の病気のため、煙厳山(鳳来寺山)に住む勝岳仙人を迎える勅使として来られた草鹿砥公宣卿(くさかどのきんのぶきょう)が、当地にて道に迷われたときに、童子が忽然と目の前に姿を現し、煙厳山教えたという故事がある。
一方、鹿は古来、我国では神に仕える動物として親しまれている。 当地域は、本県における鹿の生息地で、現在でも時折野生鹿の姿を見ることが出来る。
本宮山は、東海道筋から分岐し て奥三河へ向かう道程において、 目標となる山であり、また、取りない自然の恵みをもたらす山とし て、地域の人々にあがめられてき た霊峰である。
(像の下の説明板より)
とのことで、やはり、草鹿砥公宣卿の前に現れ「煙厳山」を教えた童子ではないかと思われますが、真実はいかに!
中には、この草鹿砥公宣卿が突然出会ったのは老人で、この老人は「我が名を問わば、神のはじめの神とこそ言わめ。」といい鹿に乗った少年に案内させたと伝えられているそうで、この「神のはじめの神」と「アラハバキ神」には何かしらの関係があるように思う。という説もあるようです。
駐車場大きな鳥居
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あっ!そうでした。駐車場に大きな鳥居があります。ここから『岩戸神社』に行くことができるそうです。
20分くらい急な階段をおりていくようで、脚力に自信のない私は遠慮しましたがチャレンジする価値はあると聞きました。
岩戸神社
由緒
本宮山は古来より信仰の篤いお山で、山全体が神様の鎮まり坐す聖地として崇められて来ました。特に岩戸神社(奥の院)は本宮山奥宮に次ぐ霊場で、参拝の便を図った男女の両坂を下ると、洞窟中にお祀りされています。 洞窟がある巨岩の頂上は「国見岩」と称され奥三酒の平野が一望出来ます。
社名 岩戸神社(別称奥の院))
祭神 大己貴命
例祭 四月二十二日
(岩戸神社説明板より)
鳥居から左側に目を転じると、そこには大きな三河国一宮 砥鹿神社 奥宮と大きく書かれた案内板があります。案内板の矢印通りに左側へ歩道を進めていきます。
砥鹿神社奥宮とは?
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砥鹿神社奥宮は、千古の神山として仰がれる本宮山(海抜七八九メートル))の頂上付近に鎮座しています。
この地には古代祭祀遺跡(磐座/いわくら)が点在し古くから神まつりがおこなわれ てきたことが想起されます。その信仰形態から砥鹿神社の創祀はここ本宮山よりはじまったと考察されます。
頂上付近の自然林は一千年に近い大木が林立し、昔より保護された神域には数百種類の草木が繁茂し、愛知県天然記念物に指定されております。
祭神 大己貴命(おおなむちのみこと/大国さま)
奥宮の主な祭典行事
一月六日 宝印祭(ほういんさい)
末社「守見殿神社(もりみでんじんじゃ)」にて斎行。
無病息災が祈願され、
参拝者に秘伝の宝印と
宝印符が授与される。一月十五日 粥占祭(かゆうらさい)
農作物の豊凶や天候を
占う農耕神事で、
古くより「オタメシ」 「オクダガイ」 と言われ、
参列者には粥占符が授与される。二月六日 例祭
十月吉日 本宮講秋季大祭
十月十四日
末社「荒羽々気(あらはばき)神社」例祭
昔から健脚の願掛け神として崇敬されている。主なお守り・おみくじ
・願かけ守り・縁みくじ ・健歩健脚守り・神鹿絵馬・本宮鈴
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奥にも参拝者用の駐車場があるようです。看板がありました。おっ!大きな鳥居が見えてきました。この鳥居の前が祈祷者専用駐車場でした。
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石の鳥居が見えてきます。
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右側に岩戸神社の赤い鳥居があります。ここからも「岩戸神社」に行けるようです。が、さらに進めると「四十九丁」と書かれた石碑があります。
「丁石」と「大福釜」
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表参道の現在位置を教えてくれるのが「丁石(ちょういし)」で、砥鹿神社奥宮は五十丁目だそうですで、大きな釜は「大福釜」。大福釜は、平成9年夏に奉納された豊橋市大岩町の会社から奉納されたようです。
御神木
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こちらの御神木は、樹周65mの杉で、樹齢約1000年!樹高30mだそうです。
歴史が深い!深すぎる。だって西暦1000年頃に芽吹いた杉なんですよね。このころから貴族と武士が結びつき、また貴族が武家化して土地争いだけでなく、外敵の進入を拒む(1019年・刀伊の入寇)ほどの戦力となってきて、明治まで続く武家政治が始まるんですもの。
先日の台風10号では、残念なことに屋久島で樹齢3000年の「弥生杉」が倒れたそうです。こちらの御神木もそうですが、長い歴史を見守ってくれた大自然の一部なのですから、これからずっと長く生き続けてくれるといいのですが。
続いて、こちらも本宮にも鎮座する『守見殿神社』登場です。
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守見殿神社(もりみでんじんじゃ)
祭神 大己貴命和魂(おおなむちのみことのにぎみたま)
神徳 心豊かに思慮正しく諸疫病と災厄を防除し守護される宝印祭に秘伝 の宝印を授与する。宝印祭 一月六日
月次祭 毎月六日
(案内板より)
石段を上って行く途中にまた赤い鳥居があります。ここが富士山遥拝所といい、この日は天気が悪く見えませんでしたが、天気が良ければ木々の間から富士山が拝めるそうです。
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狛犬
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砥鹿神社本宮社殿
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由 緒
本宮山砥鹿神社奥宮(とがじんじゃおくみや)の創祀は、文武 天皇大宝年間以前より鎮座せられた事 は、社伝に明らかである(約千三百年以 前)、海抜七八九、二米に位する、本宮山 の秀麗な山姿と全山を覆う樹林は、昔より東海無双の霊域として神聖視され、殖産の神、護国救人の守護神として広く尊崇され、明治四年の官制により三河国唯一の国幣小社に列格された、砥鹿神社の奥宮である。
大神の御神徳は弥々輝き、除災招福、交通 安全、等にも広く御神威を垂れ給っている。
社名 三河国一宮 砥鹿神社奥宮
祭神 大己貴命(おおなむちのみこと/別称大国主命)
例祭 二月六日
特殊神事 一月六日 宝印祭(守見殿神社例祭)
同 一月十五日 粥占祭
十月十四日(荒羽々気神社例祭)
(境内案内板より)
砥鹿神社奥宮(本宮山)の社叢
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愛知県指定天然記念物
砥鹿神社奥宮(本宮山)の社叢
昭和四七年六月七日 指定
この社叢は、むかしから砥鹿神社の奥宮神域として保護されてきた暖帯自然林で、 スギの巨樹が林立しています。「本宮山天狗の寄木」といわれる神木は最も大きく、 根周十一m、樹高三〇mほどで、樹齢は、 約一〇〇〇年といわれてます。
昭和三四年の伊勢湾台風によって被害を 受けたものの、標高七〇〇mの高所にヤブ ツバキ・アカガシなどの暖地性植物がみられるなど、植物分布上も貴重な地域となっています。
平成六年七月豊川市教育委員会
乙女前神社遥拝所の案内石と願掛け成就報賽石の納所
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『乙女前神社』は林道の尾根あたりにある注連縄がかかった小さな祠のようで、奥宮から拝むこともできます。
「願掛け成就報賽石の納所」とは、願かけ守に込めた願い事が叶ったら、御守の中に入っている石より大きめの石をこちらに感謝を込めて納める場所です。この願かけ守は授与所で初穂料1000円でいただけるようです。
私は、こちらの天狗ちゃんが気に入り「てんぐのおみくじ」で吉凶を占ってみました。まあ可もなく不可もない「吉」でしたが、天狗ちゃんをGETできたことで大満足です。
ここで、なんと!今回の参拝の目的でもあった『荒羽々気(アラハバキ)神社』にお参りできていないことに気づきますが、けっきょく見つからず断念したわけです。
帰宅してから調べると、登山道の途中に登場するそうで、ちょっとだけでも奥宮から
下ってみれば良かったのですが・・・。次回のお楽しみにとっておくことにしました。
『荒羽々気(アラハバキ)神社』
こちらの『荒羽々気神社』には「東海一の健脚の神」と書かれた幟が立っているそうです。アラハバキ神社の後ろに鎮座する天の磐座はアラハバキ大神の本体で、縄文時代から信仰され、磐座の下を調査した際、縄文晩期の土器が出土したことがあったそうです。
アラハバキの神は(荒覇吐、荒吐、荒脛巾)とも表記され、一説によると縄文時代から連綿と伝えられているとか、蝦夷(えみし)の神であったという説が有力とも言われたり、こちらのアラハバキ神社と同じように神社の多くは旅の神とか足の神などとしてアラハバキを祭っているようです。これは、ハバキ=脛(はばき/昔の旅人が脛に巻いた脚絆)から関連づけられたのではとのこと。他にも女陰説、蛇神説、賽の神説、製鉄民説など諸説あって
アラハバキを祭神としている神社は全国に150社以上あるといわれ、発祥は津軽だと聞きますが、三河にはアラハバキにご縁のある神社が多いそうで、愛知県にあるアラハバキ関連の神社は三河地方にあるんですって。
やはり、これらの神社は伊那街道で諏訪と通じるところだとか。これまた、興味津々の諏訪のミシャクジ信仰とかも関係しているのかも⁉などと、記紀神話や伝統的な民話などに登場しない神で、現在も全国各地の神社ではひっそりと客人(まろうど)の神としてひっそりと祀られている謎の神ということで、なぜか全くの素人の私が興味を持ってしまう魅力満載の神というところでしょうか?
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最後に
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信じてもらえないかもですが、本宮山スカイラインの途中で野生の鹿もみることができた今回の『砥鹿神社奥宮』参り、かなり御利益がありそうです。
山中に横たわる巨岩や杉の巨木がそびえるなど古代信仰の雰囲気がたまらなくすばらしいですし、樹齢千年の御神木がそびえたつ境内はもちろんですが、神代より大神様が鎮まる霊山標高789mの『本宮山』ということで、古から続く神の存在を感じられたような気がします。
今回下調べ不足で、肝心の『アラハバキ神社』にたどり着けないまま帰宅したことが残念でしかたありません。9月になったら涼しくなって出かけることも苦にならないだろう楽観していたことが悔やまれるほどの暑さで迎えた白露。
だんだんと暑さが和らぎ、秋の気配が深まっていくことを意味するとのことですが、一度暑さで枯れ果てたベランダの朝顔や大葉たちが「夏が来た」と誤解して芽吹いてきてしまいました。仕方ない!10月を待って出かけましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。では、またです。