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袋井市の水に浮かぶ『久野城』は最強武田軍も落とせなかったお城

こんにちは sannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。

今回の徳川家康ゆかりのお城は静岡県袋井市にあり、鎌倉時代に遠江久野を本拠地とした久野宗仲を祖とする久野一族の本拠地だった平山城『久野城』です。

 

戦国時代「東国第一の要害にして、たとえ何万騎を差し向けてても落つべくも見えず」と謳われたという、したたかな平山城の堅塁を確かめることができます。

 

今回も『JR さわやかウォーキング』に参加しての見学のおかげで、離れた場所から「あの旗がたなびいてるところだね」なんて言いながらお城を目指す過程で、周囲の大きな水堀や湿地帯が広がっているのを見ることができました。

 

このような風景からは、標高34mの山頂が本丸という平山城のはずの久野城が、まるで水に浮かんだような小高い要塞のように感じました。

 

また、今回は駐車場には保存会の皆さんがテントを張って詰めていてくださり、『御城印』はもちろんみかんやお茶まで用意してくれていて人々の優しさも感じるすてきなウォーキングになりました。

 

ここまでの道程の疲れもなんのその!しっかりと『御城印』をいただいてから、キツめの階段を少しだけ登ります。

 

やがて、目の前に開けた『本丸』や『高見』からは、東・西・南方向がよく見通せ、特に南方向からは東西に延びている東海道が確認できるため、この久野城が街道監視を目的に築城されたことが実感できます。

 

こちらの城跡には、二の丸や三の丸跡、曲輪や堀切、土塁、横堀などの遺構が残され、戦国時代から江戸時代初期の平山城の姿を良く残していると聞きます。特に井戸跡は(格子越しですが)かなり大きく見応えもあります。

 

山城といっても平山城なので、登城はかなり楽ちんな方かと思われます。「お城は歩くのが辛くてちょっと」なんておっしゃる方にもおすすめです。

 

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遠くから見える小高い丘の上の『久野城』

 

 

久野城

 

久野城は駿河に本拠地を持っていた今川氏が遠江へ侵攻するための拠点として、久野崇高によって、明応年間(1492〜1501年)頃築城されたと考えられています。

 

現在の久野城跡は、公園として整備され、土塁、横堀などの遺構が残り、周囲には当時の堀跡であろう湿原が馬蹄形に残っています。

 

 

場所:静岡県袋井市村松鷲巣1281

 

《アクセス》


電車・バス:JR[袋井駅]から袋井自主運行バスに乗車、[東名高速下]バス停下車徒歩約15分

車:東名高速道路[袋井IC]より約20分
駐車場:15台分の無料駐車場があります
トイレ:あります

所要時間:登って下って約30分程度
パンフレット:ボックス内にあります

御城印:いただけますが、普段は久野城址ではいただけません。袋井北コミュニティーセンターにて300円で購入できます

 

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久野城の御城印は袋井北コミュニティーセンターで購入できます

 

久野城址はJR袋井駅から北東約3kmの位置にあります。標高34mの山頂に本丸を置いて▽状に縄張りされた城域は約52,000平方メートルの少し小さめの平山城です。

 

平成元年度~4年度、6年度、7年度、16年度~19年度とかなりの期間をかけて発掘調査が行われ、瓦類、銭貨、釘などの金属製品や高価であっただろう漆椀、箸などの木製品、陶器や中国製磁器も出土したそうです。

 

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久野城の歴史

 

久野城内には蔵王権現社があったことから蔵王城とも呼ばれ、戦国時代には地元武将久野氏の居城でした。明応年間(1492〜1501年)に駿河今川氏による遠江侵攻に際して今川家旗本の久野崇隆(くのむねたか)が築城したと伝えられています。

 

この時代の久野城は東海道の北側の丘陵に本丸・二の丸・北の丸が構えられたのみで、丘陵の麓まで曲輪が及んでいない小規模な城でした。

 

久野氏は、1560年(永禄3年)の桶狭間の戦いで崇高の子の本宗、宗経が討死したため宗能(むねよし)が跡を継ぎ、宗能は今川氏から離反し松平元康から徳川家康と名前を改めた家康に従属したのです。

 

そして、家康が武田信玄と対立するようになると、久野城は対武田の戦略としても重要な城となります。遠江の国衆の多くが徳川氏から離れ、武田氏についたのですが、久野宗能は一貫して徳川家康に従い『高天神城の戦い』『小牧長久手の戦い』など各地で徳川方として戦功をたてます。

 

この時代に久野城は武田氏の備えとして、家康の支援を得て、山麓部分の東の丸・南の丸・西の丸を新たに築き、本丸の北側に大規模な横堀や大土塁などを入れた城の拡張工事をおこない、弱点だった北側尾根筋を補強し、三の丸や東段下など丘陵中腹の曲輪も整備したといわれています。

 

1590年(天正18年)、家康の関東転出に伴い、下総国佐倉に移されます。久野城は宗能の再任を含め通算8代、約150年にわたりこの地を治める拠点となりました。

 

宗能が上総国佐倉に移封後、代わって久野城主となったのは豊臣秀吉の家臣である松下之綱(ゆきつな)ですが、実は豊臣秀吉がまだ名も知られていない百姓のとき、立身出世を求めて一時期主君として仕えていたお方です。

 

家康の関東移封後の久野城は、関東・東海道の押さえとなる重要な城のため、之綱、重綱親子は城全体の大改造を行い、現在見られる姿になったと考えられています。

 

この時の久野城は、西の丸・東の丸・大手まで大規模に改修され、遠江において浜松城・掛川城・横須賀城などとともに織豊系城郭(しょうくほうけいじょうかく/織田信長。豊臣秀吉とその配下によって築城・改修された共通する特徴を持つ城郭のこと)として改修されたことが、発掘調査からわかったそうです。


そして、久野城は最後の城主・北条氏重の転封とともに横須賀藩預かりとなり、1664年(元保元年)に廃城となっています。

 

廃城直後には大手門を掛川城の北門に、城門は海蔵寺や油山寺に移築したと『掛川誌稿』に記されてとのことです。

 

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では、さっそく駐車場で御城印をいただきながら、おいしいお茶やミカンもいただいてご機嫌よく『久野城』を登っていきましょう。

 

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駐車場前の案内板を見てから、なだらかな登り坂を登っていきます

 

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北の丸

 

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平らな場所が広がる北の丸。ここからの景色も自然がいっぱい

 

二の丸井戸

 

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すっかり囲まれた水をくむ井戸、草がすごくて井戸がみえにくい!

 

土塁

 

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土塁はあるけど、攻めるというよりも守りのお城なのかな?

 

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本丸

 

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多分この辺りが本丸跡では?風にはためく旗が目印

 

参照元:城びと「家康を支えた徳川家臣団の城」 久野城について/袋井市

 

最後に

 

今回訪ねた『久野城』は周囲の水堀や湿原がお城を守ってくれる役目を果たしていて、まさにタイトルの通り「水に浮かぶお城」ということで、東海道からせめてくる敵の監視が主な目的のお城だったおかな?と思います。

 

というのも、確かに堀や土塁はありますが、水堀や湿原がなければあまりに簡単に登れてしまいますし、攻撃するような感じでもありません。何よりも周囲の水が頼りだったのかもしれません。

 

今回も自然あふれる田畑を眺めながら、青空の下、匂いだけでご飯が何倍も食べられそうなうなぎ屋さんのかば焼きの香りが風に舞う中、約13kmの道のりを歩けたことに感謝です。

 

いつもJRのスタッフの皆さんが、スタート地点とゴール地点のカウンターで寒かろうと暑かろうと待っていてくれること、工事中や注意が必要な場所に立っていてくださることで、私たちは気持ちよく「さわやかウォーキング」でいろんな場所を歩けています。

本当にありがとうございます。そしてこれからもいつまでも続きますように!

 

最後までお読みいただきありがとうございます。では、またです。

 


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