こんにちは sannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。
今回の遠江の神社は、浜松市浜名区内野に鎮座する『内野神明宮』です。先日記事にした『六所神社』と同じく「延喜式神名帳」にある遠江国・長上郡『朝日波多加神社』と推定される神社です。
創建は不明ですが、御神木前の由緒書きによると、「江戸時代初期の1625年(寛永2年)正月15日の創建」とありますので、927年(延長5年)にまとめられた「延喜式神名帳」と呼ばれるものに記載されるのは、少し疑問ですが・・・。
不思議なことに、もう一つの参道入口の由緒書きには「朝日波多賀神社は宇治乃(内野)にあり神明社と称し天照大神を祀り長上都式内五座の一社なり」との記載もありますので、もちろんこちらの内野神明宮が「延喜式神名帳」に記載されている『朝日波多加神社』と推定されてもおかしくはない感じです。
いつの日か明らかになるのか?それとも不明のままなのかは神様のみが知るところでしょうが、背の高い木々が緑色に茂る鎮守の森の中に鎮座する由緒ある歴史深い神社であることは間違いありません。
内野神明宮
鎮座地:静岡県浜松市浜名区内野713
《アクセス》
電車・バス:遠鉄電車[積志駅] から徒歩25分(2km)
遠鉄バス[内野台一丁目]バス停から徒歩約4分
車:東名高速道路[三方原スマートIC]から約11分
[浜松IC]から約22分
駐車場:数台分あります※神社の南を通って西側に回ると内野幼稚園の南側にあります。
御朱印:不明
内野神明宮とは?
現在『内野神明宮』は、内野幼稚園の南に接して鎮座しています。住宅街の中にありながら、境内には背の高い木々が茂り、せわしない日々の暮らしの中でふっと息を抜けるような神域です。
由緒書きにあるように現在地への創設は約370年前の1625年(寛永二年) 、拝殿は大正年間に造営されたようです。残念ながら平成の世になって放火に遭い、全焼してしまったと聞きます。その後、氏子さんたちのご苦労で再建されたという、まさに現在ここに暮らす皆さまのオアシス的な存在ではないでしょうか?
内野 神明宮 由緒
鎮座地 浜北市内野 713番地
祭神 天照皇大神
天手力雄命
豊受姫大神
栲幡千々姫命
例大祭 前夜祭 毎年9月最終土曜日(旧27日)
大祭 毎年9月最終日曜日(旧28日)神明宮由緒によると寛永二年(1625年)正月15日 (約370年前)
現在地に創建したとある
現拝殿は大正年間に造営され氏子の深い信仰をあつめている御神木
樹種 檜 樹齢約230年 樹高約24米
樹周り 約2米30糎(県林業技術センター調べ)比の様に由緒歴史のある御神木を氏子の皆さんと 共に末永く大切に育てましょう
平成十年九月吉日(指定)
内野神明宮 宮司
内宮・内野台 氏子総代
(境内『御神木』前の由緒書きより)
由緒
一、社名 神明宮
一、祭神 天手力男命
天照皇大神
豊受姫大神
栲幡千々姫命
一、由緒創立年代不詳なるも、当地を宇治乃と称せし、時代に伊勢皇大神宮より勧請し、
祭主藤原氏市右ェ門道次神主又左ェ門管姓三良ェ門此處に祭祀す。大日本史によれば、朝日波多賀神社は宇治乃(内野)にあり神明社と称し
天照大神を祀り
長上都式内五座の一社なり
遠江風土記神風抄に遠江国宇治乃御厨にて神明社、朱符之神田高三石とあり。
(参道入口由緒書きより)
冒頭でも触れたように、『内野神明宮』は、「延喜式神名帳」にある「朝日波多加神社(遠江国・長上郡)」と推定される神社ですが、境内の御神木前の由緒書きによると、江戸時代初期の1625年(寛永2年)正月15日の創建ともあります。
参道入口の由緒書きには 「大日本史」によると、式内社「朝日波多加神社」について、「朝日多賀神社は、宇治乃(内野)にあり神明社と称し天照大神を祀り、長上郡内五座の一社なり」とありますから、確かに内野に鎮座し天照大神を祀り、遠江国における宇治の御厨で、神田高3石だったと伝わる『内野神明宮』なら、「延喜式神名帳」に記載されている『朝日波多加神社』と推定されてもおかしくありません。
ただし、式内社『朝日波多加神社』であろうとされる神社は他にも、浜松市中央区内の、飯田町の稲荷神社、神立町の蒲神明宮、半田山の六所神社、有玉南町の有玉神社があるとのことです。
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腑に落ちない点もありますが、歴史はいろいろな遺構などの発見により日々変化しますので、あしからずということで。
御祭神
・天照皇大神(アマテラスオオミカミ/天皇の祖神であり、日本で最も重要な神様のひとつ)
・豊受姫大神(トヨウケノヒメノオオカミ/内宮の天照大御神のお食事を司る御饌都神 であり、衣食住、産業の守り神としても崇敬されている)
・天手力男命(アメノタヂカラオノカミ/日本神話で、天照大神の隠れた天の岩屋の戸を手で開けた大力の神)
・栲幡千千姫命(タクハタチヂヒメ/天津神。多くの蜻蛉の羽のように薄い上質なものを作る技師、つまりは機織りや織物に関係のある神様と考えられる)の4柱です。
境内のようす
御神木
御神木は「檜」で、樹齢約230年、樹高約24m、樹周りは約2m30cmです。
鳥居
参道
参道脇は背の高い樹木に囲まれ、守られている感じがします。なんとなく海浜公園でも歩いてるような気分で参道を進めます。
手水舎
拝殿
清々しい参道を進めると『拝殿』が見えてきました。木の香りがするまだ新しい『拝殿』です。
狛犬
神さまをお守りする狛犬。もしかして、狛犬だけは平成の火事という災難から逃れられたのおでしょうか?少し歴史を感じます。
本殿
境内社?
境内社のようですが、御祭神や神社名は不明です。横に少し不思議な感じで石が積まれていたので、こちらも撮影しておきました。
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最後に
今回参拝に訪れた浜松市浜名区内野に鎮座する『内野神明宮』、歴史ある古社なのですが、平成になって火災により焼失してしまったため、拝殿や本殿などがまだ木の香りがするほど新しく清潔感があふれていました。
式内社『朝日波多加神社』であろうとされる神社の一つとのことで、御祭神も天照大御神をはじめとした神話に登場する神々です。ちょっと興味深いのは機織りや織物に関係のある神様と考えられる『栲幡千千姫命(タクハタチヂヒメ』が祀られていること。
先回の『六所神社』は半田山古墳、今回の『内野神明宮』もここから見える赤門上古墳などがある台地上の古墳群に取り囲まれた場所にあるということで、機織の技術を持った渡来人が流れ流れて、この地で養蚕や織物の技術を伝えてくれたおかげで繁栄した可能性があるということなのでは?
最後までお読みいただきありがとうございます。では、またです。