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静岡県藤枝市岡部町の神神社(三輪神社/みわ)探訪

こんにちは sannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。

今回訪ねたのは静岡県藤枝市岡部町の『神神社(三輪神社/みわじんじゃ)』です。藤枝といっても東名高速道路[焼津IC]から約7分で焼津神社ともかなり近い場所にあります。

 

死ぬまでには出かけたいと思っている神社が、奈良県桜井市にある日本最古の『大神

(おおみわ)神社』、その理由は、神の中の神、もっとも偉大な神といわれる「大物主大神」が御祭神だから。

 

その『大神神社』の分社が、藤枝の『神神社』と聞けば出かけないわけにはいきません。

 

この『神神社』歴史も古く1870年もの間この地に鎮座し、三ツ鳥居を通して駿河の三輪山を御神体としている磐座信仰と聞けばさらに興味津々、しかも車で1時間弱で行くことができるなんてラッキーでしかありません。

 

神神社の公式HPの宮司さんの挨拶によれば、”特に心身の治りがたい病の平癒や厄払い、家内安全の祈願を立てると大きな御利益が頂けると好評です。”とのことです。

 

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神神社(三輪神社/みわ)本殿

 

 

神神社(三輪神社)

 

 

 

場所:静岡県藤枝市岡部町三輪1288

 

《アクセス》


電車・バス:JR[焼津駅]から徒歩45分
      JR[焼津駅]からバスで[三輪神社入口]まで、徒歩約1分

車:東名高速道路[焼津IC]から約7分
駐車場:表参道側に参拝者用駐車場があり7台くらい駐車できます。WC側の3台はハイキングの方用とのことです

WC:あります。WC前にはベンチもあり休憩もできそうです

御朱印:社務所には誰もいなかったので頂けませんでした。以前はいただけたようですが、現在の情報がありません

 

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神神社前のにどかな田園風景

 

住宅街を抜けた先に鎮座する神神社の創建は644年(皇極天皇3年)と古く、こじんまりとした境内や、表参道側の田園風景は何とも落ち着く感じで現実離れした異世界という感じです。

 

『神神社』は、奈良県桜井市にある日本最古の『大神(おおみわ)神社』を本社として1380年にわたり藤枝市岡部の地に鎮座し、三ツ鳥居を通し御神体の駿河の三輪山(現在は高草山と呼ばれています)を拝するという古代の祭祀の形態「磐座信仰」を伝え、住民から長く崇拝されています。

 

皇極天皇の御代に東国で疫病が流行ったため、同じく疫病鎮護のため創建した大神神社に倣って創建されたそうです。

 

全国でも珍しい三ツ鳥居が現在も残っています。元々あった三ツ鳥居は解体されましたが、かつて鳥居を境界として磐座を祀り、現在でも行われている古代祭祀を思わせかなり神秘的です。

 

本社の奈良の大神神社にも同じような三ツ鳥居があり、本殿がないため、この三ツ鳥居を通して遥拝しているそうです。

 

ちなみに、全国でも珍しい三つ鳥居の一つは、日本武尊(やまとたけるのみこと)が伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉册尊(いざなみのみこと)をお祀りしたのが始まりと伝わる埼玉の『三峯神社』の参道入口にあり、昨年修繕されたと聞きます。

 

御祭神

 

大物主大神(オオモノヌシノオオカミ)

 

日本神話に登場する神『大物主大神』、大物主といえば神の中の神というイメージで、大国主神(おおくにぬしのかみ)の異名ともいいます。国津神(くにつかみ)の代表的存在で、国譲り後たくさんの国津神をひきいて皇孫を守ったなどと多くの説話をも持ちます。またそのお姿は蛇の姿をしており、農業の守護神でもあるそうです。

 

神神社の公式HPでは『大物主大神』は古くは、大和朝廷の守護神として、神と言えば三輪の神と人々から呼ばれるようになり固有名詞が普通名詞化したのだと言われているそうです。

 

相殿は 天照大神、葛城一言主神 です。

 

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では、さっそく表参道側からお参りしていきましょう。表参道側にはのどかな田園風景が広がり、まさに大国主命を思い浮かべます。

 

表参道

 

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表参道から見える森に囲まれた『本殿』

 

手水舎

 

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立派な『手水舎』で手と口をすすぎます

 

狛犬ならぬ『狛うさぎ』?

 

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かわいらしい『狛うさぎ』

 

なんとなくですが、神社の入口の両脇は狛犬がお社に背を向けてこちらに睨みを利かしているというイメージですが、こちらの『神神社』では狛犬ならぬかわいらしい『狛うさぎ』が思いのほか、ほほえましくて安らぎを与えてくれます。

 

本社の『大神神社』の使いは蛇ですが、こちらの使いはかわいらしいうさぎなのかも⁉また、自身の痛いところを撫でると治るとも伝わるようなので、少しだけ撫でさせてもらいました。

 

他にもうさぎは2羽いますので、トータル4羽のうさぎがいることになります。ゆっくりと探してみてください。

 

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『神神社』のかわらしいうさぎたち

 

拝殿

 

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神神社『拝殿』と、神神社と書かれた『扁額』と『杉玉』

 

拝殿には「神神社」と書かれた扁額と、少し小さめな『杉玉』があります。杉玉は本社の『大神神社』にもあるそうです。何かしらの関係があるのでしょうか?

 

実は杉玉の発祥は、本社の『大神神社』だと言われるそうです。

 

杉玉

 

奈良県桜井市三輪にある大神神社(おおみわじんじゃ)の「醸造安全祈願祭(酒まつり)」では、拝殿に吊るされた大きな杉玉が登場します。別名を「酒林」(さかばやし)とも呼ばれる杉玉です。

 

酒蔵や日本酒を扱うお店の軒先でも見られる杉玉ですが、実はこの杉玉の発祥は、大神神社だと言われているとか。

 

7世紀に編纂されたという『日本書紀』には大神神社の御祭神である大物主大神による酒造りのお告げがあったことが記されているそうですし、“倭なす大物主の醸し(噛みし)神酒”とあり、最も原始的な酒造りの方法である口噛酒(くちかみざけ)に大物主大神が関わっていたと想像され、付近の“山ノ神遺跡”からは5世紀前半の酒造り用の土器のミニチュアが出土していることから、大神神社での酒造の信仰は、5世紀前半には始まっていたようだとあります。

 

参照元:知っているようで知らない“杉玉”の噺 - 酒噺│もっとお酒が楽しくなる情報サイト

 

拝殿と御由緒書き

 

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『神神社』拝殿の『神社詩』と御由緒書き

 

延喜式内 神神社(みわ)

祭神 大物主大神(おおものぬしのおおかみ/大国主神の和魂) 
相殿 天照皇大神・葛城一言主神

例祭 十月十九日 
創祀 皇極天皇三年(六四四年)四月中の卯の日

由緒 皇極天皇の御代東国に疫病が蔓延して人民が苦しみあえいだ時、先の崇神天皇(すじんてんのう)の御代の吉例に倣って、大和国三輪山大物主神を 意富多多根古命(おおおたたねこのみこと)二十六代の子孫三輪四位を神主としてこの地に祀り、大難を救って戴いたのがこの神社創祀の由来である。
文德天皇(もんとくてんのう)仁寿元年(八五一年)正六位上の位を賜わってより順次叙位を重ねて、伏見天皇正応六年(一三九三年)正一位を賜わる。明治六年三月二十二日郷社に列せられた。
当神社は古来本殿がなく、三ツ鳥居の奥が古代の斎庭(まつりゆにわ)であった。今でも例祭など主な祭りには、お山に五対の御幣(おんべい)を立て、本殿と同じ神饌を上げて祀る古代祭祀の姿を残している。(岡部町民俗無形文化財)

特殊神饌 ・例祭 白おこわを献ずる。
     ・端午の節句(六月五日)茅卷(ちまき)を献ずる。
特殊建造物  三ツ鳥居(三輪鳥居)
本殿 文化八年十月 
拝殿 昭和六年十月
明神鳥居 文政九年十月奉建

(境内由緒書より)

 

※例祭では、五対の御幣(おんべいと読むらしい)を立て、昔は山に入って、「三石三斗三升三合」と唱えつつ、白おこわを撒き散らしたといいます。

 

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杉之坊社 参拝所

 

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杉之坊社 参拝所

御祭神

 霊木高比古神(ひぎたかひこのかみ)

 霊水高比売神(ひぎたかひめのかみ)

由绪

 森の鎮めの神として社殿は持たず、御神木を中心に祀られてきたが、明治三十四年永い間難病に苦しんでいた伊久美村(現島田市伊久美))の福井伊太郎氏が快気の御礼に小型の社殿を奉建した。現在の社殿はその曾孫にあたる高橋金子氏が平成政元を記念して奉建したものである。

 神神社の荒魂の神として、霊験あらたかな御神徳は病気、怪我、災巖除けの神様として 古来より厚く信仰されている。

例祭 一月七日

特殊神餞

 三角のおこわのおむすびを「かくれみの」の葉にくるんでお供えする。

(境内案内板より)

 

三ツ鳥居

 

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立ち入り禁止の場所にある『三ツ鳥居』

 

2011年に前の三つ鳥居が解体され、新しい三つ鳥居の竣工祭が行われたとのことです。

 


かみなり井戸

 

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『雷井戸』と案内板

 

かつてこの神社の近くに雷が落ちたそうですが、ここの神さまがその雷を捕まえて井戸に閉じ込めたんだそうです。雷は泣いて懇願して解放され空へ帰っていき、それ以来落雷が起きなくなったそうです。

関係者以外は中に入れないため、案内板のみでこの雷の伝承を知ることができます。

 

昔、この神神社の森にかみなりが落ちたことがありました。神様はたいへん怒って、そのかみなりをつかまえて、井戸にとじこめて蓋をしてしまいました。
かみなりは、「もう二度とここには落ちませんから、どうかお許しください」と言って泣いてあやまりました。
神様もさすがにかわいそうになって、助けてやりますと、かみなりはたいそう喜んで天にのぼっていきました。
それからはこの森に一度もかみなりが落ちたことがないとつたえられています。

(案内板より)

 

裏参道の鳥居と社務所?

 

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裏参道の『鳥居』と『社務所』らしき建物

 

鎮守の森

 

神神社の公式HP(【公式】三輪神社 神神社(みわじんじゃ))によると、近年の気象の急激な変化により古木化した森の木が次々に倒木し森の周囲に立ち並ぶ住宅に被害を及ぼす恐れが出てきたため、村人の話し合いの上、「神社の命」である森を大規模に伐採して新たに再生させ後世に残すことを決めたそうです。

 

おそらく神社では全国で初めての挑戦のようで、森の再生のための寄付を募っています。詳細は神神社公式HPでご確認ください。

 

また、『神神社』表参道前の田園風景の中には、現在は神神社境内の神域に遷座しましたが、当時は小さな祠に祀られていた『田明神(たみょうじん)』があった場所があります。

 

田明神(たみょうじん)

 

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 田明神(たみょうじん)は、元は神神社(みわじんじゃ)の南方約百メートル の田の中の小さな祠に祀ってありましたが、 昭和六十年(一九八五年)に境内の神域に遷座しました。しかし、例祭は元の小さな祠跡に降神して行います。

 例祭は、一月十一日朝 、日の出前に、東に 向けて設けられた祭壇に焼き餅、干し柿を献じます。祭りを終えて参列者は、これをいただいて、焚き火に当たりながら食べます。

 農家では、やはり一月十一日に「春田打ち」と称して、一鍬(くわ)起こして立てた萱(かや)の穂の根元に小さなお供え餅などを上げてお祭りします。農作業の行為を模倣的に演じ、実際の農耕の成就を祈念するものです。

 この地域では、古くから男子の行事とされています。

   岡部史談第二集 「岡部のお宮さん」より

   平成十七年三月

     おかベプロジェクト未来

(案内板より)

 

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最後に

 

今回訪れた藤枝市岡部町の神神社(みわじんじゃ)は、「神の中の神」とか大和朝廷の守護神として、「神と言えば三輪の神」と人々から呼ばれるようになったという『大物主大神』を主祭神とし、創建は644年(皇極天皇3年)と古く1380年にわたり藤枝市岡部の地に鎮座してきた古社です。

 

奈良県桜井市の『大神神社』を本社として、大神神社と同じように『三ツ鳥居』を通し御神体の駿河の三輪山(現在は高草山と呼ばれています)を拝するという、古代の祭祀の形態「磐座信仰」を伝え、日本の深い歴史を教えてくれました。

 

古の神々を祀る神社と共にあった信仰の対象でもある『森』ですが、やはり昨今の異常気象には勝てないようです。そんな中、全国でも初めてという「森を大規模に伐採し新たに再生させ後世に残すこと」を相談で決めた『神神社』のある三輪の皆さんはすばらしいと思います。

 

確かに、古の神を祀る古社でも「神社の命」ともいうべき『森』は削られていることが多い気がします。『森』を維持することがどれだけ大変なのかが伺えます。

 

明治神宮外苑の再開発では、高さ3メートル以上の樹木1904本のうち743本が伐採される計画がありましたが、東京都が待ったをかけ、極力伐採本数を減らすことを検討しているとか。

 

あちこちの神社をお参りして歩くのが、最近の楽しみでもあります。できるだけ『森』が減らないことを祈ります。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。では、またです。

 


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